2017年12月10日

黒潮だよりNO.63 人手不足時代の到来‼ 豊橋工業は7倍の求人が・・・

今年も早いもので、もう年末です。
皆さん、お元気ですか?
メールマガジンのメンテナンスに時間がかかり、久しぶりの配信になります。
今回は「人手不足」についてお伝えしたいと思います。

ここ最近、私の周りの経営者から「人がいない」、「人手不足だ」とのお話をよく聞くことがあります。
それもそのはず、11月に発表された帝国データバンクの統計を見ますと、
全体では
○正社員が不足している 49.1%(前年同月7.3%増)
○非正社員が不足している31.9%(前年同月4.7%増)

→ いずれも過去最高値、正社員不足はいよいよ半数に近づきました。

規模別では
○正社員の不足は、大企業が56.4%で中小企業が47.2%(うち小規模42.2%)
○非正社員不足は、大企業が34.3%で中小企業が31.3%(うち小規模29.6%)
 
→ 企業の規模を問わず不足、規模の小さい企業も不足感が増してきました。

業種別では
○正社員不足は、情報サービスが最も高く70.9%、続いてメンテナンス・警備・検査/運輸倉庫/建設/リース/再生資源卸売/電気・ガス・水道・熱供給の順で6業種が60%を超えている。
○非正社員不足は、飲食店で最も高く80.5%、続いて飲食料品小売が60.9%、人材派遣・紹介/各種商品小売/繊維・服飾小売/娯楽サービスの順で4業種が50%を超えている。

 → 様々な業種で不足、特に「情報サービス」と「飲食店」は凄まじいです。

景気の回復とともに、労働市場が逼迫してきています。生産設備はあっても人手が足らず受注に応じられない、バイトが集まらずお店を早く閉めざるをえない、工場経営を任せられる人がおらず廃業するしかない、このような事柄があちこちで出始めれば、経済は成長が止まり下降へと向かうことになります。この状況は農業などの1次産業においても雇用を伴う経営体は同様の課題を抱えています。

このような問題意識を持ちながら、12月議会にて一般質問をさせていただきました。
本市の現状認識はこうです。

愛知県の直近の4~6月の完全失業率が 2.7%と完全雇用と言っても過言ではない状況
本市においても豊橋工業高校では就職希望者一人に対して、7倍の求人がある
豊橋商工会議所の景気動向調査では、業況感を示すDIが全業種で改善している一方、同じく全業種で経営上の問題点として「従業員の確保難」が挙げられている
本市の労働力供給は細くなっており、加えて需要とのミスマッチもあり、企業の人手不足は深刻化していると認識

労働力に対する対応は大きく分けて2つ
①人的労働力を確保する⇒労働者の確保
②労働需要を減少させる⇒生産性の向上

①の場合は、今後も減少が見込まれる労働人口をどう増やすか?
首都圏などからUIJターンなどで引っ張ってくることも考えられますが、あまりにも数が少ない。そうすると後は労働人口の掘り起こしが肝になってきます。
では、どこに掘り起こせるだけの労働人口があるか、と申しますと、これはもう女性とシニア世代しかありません。

例えば、日本では30代からの女性の就業人口が少ない。これをスウェーデン並にすれば、あと350万人の雇用が見込めます。これを豊橋市に置き換えると約9,000人の潜在労働人口があるということになります。
また、60代後半も60代前半と同じくらいイキイキと働けるようになれば、およそ160万人の雇用が見込め、同じく豊橋市に置き換えれば、約4,800人となります。

このようになることは、なかなか地方自治体だけでは難しいので、国の施策と併せて自治体独自の子育て支援などの政策の強化が必要であります。

一方で②の生産性の向上ですが、豊橋市も省力化などの機械導入には積極的に補助事業を行ってまいりましたが、それだけでは足らないと思います。
コンピュータにおけるオペレーティングシステムやハードウェアなどのプラットフォームが整備され、それらを活用するアプリケーションも充実してきている昨今、これらを使いこなす人材の育成にも積極的に支援するべきです。
具体的には経産省が推奨する「ITコーディネーター」などの資格取得に対する支援が必要ではないでしょうか。

経営者の高齢化も進む中で(中小企業経営者の年齢ピークはこの20年間で47歳から66歳へと高まっている)、これからは、ITはもとよりIOT、AIなどへの対応が迫られています。
第3次産業革命、いわゆるIT革命への対応の遅さが日本の産業の低迷として指摘されている中で、この潮流に如何に対応していくか、が産業振興の鍵になっていくと思います。
このことも行政が関わる面は少ないと思いますが、商工会議所や農協などとも連携し、現場経営者の声を聴きながら共に啓発し合う中で、できる限りの政策を推し進めることが必要であります。

また、「隗より始めよ」ではありませんが、豊橋市役所の生産性の向上も同時に進めていかなければいけません。

まだまだできることはたくさんあります!
12月議会
中日新聞 12月5日朝刊




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Posted by sugi  at 16:28 │Comments(0)黒潮だより黒潮だより

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